キバナコスモスの夕暮れ [プラントウォッチング]

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・『鉄道草』
と聞いて、みなさんはどのような草花を思い浮かべるでしょうか。一般にはヒメジョオンやヒメムカシヨモギのことを指すようですが、むろん正式名称というわけではありませんし、人それぞれに「鉄道草と言えば」があってもいいと思います。
ワタシにとっての『鉄道草』は、キバナコスモスですね。

・普通のコスモス
と違って、初夏の頃には咲き始めます。葉の形などは、針のように細い一般的なコスモスのそれよりも、キク科の特徴をより忠実に再現しているように思います。性質も丈夫なものらしく、一部では野生化しているようです。ワタシが見た線路脇のキバナコスモスの群生も、誰かが植えたものが野生化したのかも知れません。

・なんといっても
最大の特徴は、あの圧倒的な鮮やかさを誇るオレンジ色の花びらです。秋咲きのコスモスの色とりどりの華やかさはありませんが、頑固一徹ゆえの究極を極めたような圧巻の美しさがあります。

・最近は
めっきり手をつける機会もなくなりましたが、昔、絵を描いていた時期があって、市販の絵の具について研究したこともありました。色相環上の基本色それぞれに対応して、鮮やかな発色の絵の具はいくつもありましたが、なぜかオレンジ色に関しては、決定版といえるほどの鮮やかなものはありませんでした。少なくとも、キバナコスモスのオレンジ色を再現し得るほどの絵の具は見当たりません。
人の技術はまだまだ、自然に及ばないようです。

・比較的
花の期間の長いキバナコスモスではありますが、やはりその花色が連想させるのか、この花には秋のイメージが強いように思います。ことに秋の夕日がこの花を照らすのを見るたびに、もしワタシが本職の画家であったなら、筆を折ってしまっただろうな、などと想像してしまいます。


・さて
わが"諸々茶屋"がお店を開いておおよそ一年が経ちました。はじめてのブログ挑戦というだけでなく、途中で引っ越し作業などもあって、戸惑うことも多かったのですが、「毎週更新、一年間継続」という個人的な目標もどうにか達成できて、なんとはなしに肩の荷がおりた感じです。
まだまだ書きそこねた花は多いのですが、これを機にまた新たな花々との出会いを探しに行ってみたいと思います。
というわけで、しばしのあいだ、休業とさせていただきます。

一年間のご愛読、ありがとうございました。

あなたの旅ゆく先に、幸いあれ。

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